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曾宮一念『東京回顧』(創文社/1967年) [中村彝を知るための45冊]

 中村彝のアトリエ近くに住み、頻繁に彝を訪問していた曾宮一念によるエッセイ集です。本書の中では彝と会津八一を取り上げた「二人の独身芸術家」をはじめ、彝とその周辺に去来する人々のことを、日本橋生まれらしい気どらない洒脱な文章で描いています。また、曾宮が所蔵していた中村彝の筆による、たいへん珍しい彝マンガも収録されています。本書の内容は、曾宮一念による東京の思い出がメインであり、彝に関連する記述は飛びとびであちこちの項に散在していますが、もっとも近くにいた友人による貴重な証言集となっています。
 古書店や古本ネット通販では見かけることがありますが、かなり高価です。一般の図書館よりも、美術館の資料室やライブラリーなどのほうが収蔵している可能性が高く、閲覧しやすいのではないかと思います。

 


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