SSブログ

『茨城県近代美術館紀要』第12号(茨城県近代美術館/2006年) [中村彝を知るための45冊]

 

 中村彝に関する最新研究の「紀要」第12号には、舟木力英・著の「中村彝の訳稿問題」が掲載されています。イポリット・テーヌの『藝術の哲学』とチェンニーノ・チェンニーニの『藝術の書』について、中村彝の翻訳原稿からさまざまな課題を扱った内容となっています。特に、原稿の表面に「鈴木良三筆写」とされているものについての論考は緻密です。現存する原稿の筆跡の違いや、原稿用紙の種類などに着目し、中村彝の真筆原稿と鈴木良三などによる筆写の原稿とを細密に分類していきます。当時、中村彝が残した原稿類は「中村画室倶楽部」が管理しており、出版あるいは発表するにあたり、画室倶楽部のメンバーが彝の翻訳原稿を筆写したり、あるいは補正していたのではないかと思われます。
 美術館の資料室やライブラリーには、たいがい収蔵されています。また、本書は現在でも販売中で、茨城県近代美術館のミュージアムショップ「ノービス」で購入することができますが、一般の書店では扱っていません。ミュージアムショップでは通信販売も行っていますので、詳細は下記へお問い合わせください。
 茨城県近代美術館 ミュージアムショップ「ノービス」  TEL.029-243-8765
  〒310-0851 茨城県水戸市千波町東久保666-1


nice!(1)  トラックバック(1) 
共通テーマ:地域

nice! 1

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。