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森口多里『中村彝』(アトリエ社/1941年) [中村彝を知るための45冊]

 

 太平洋戦争の開戦直前に出版された、中村彝に関する初めてのまとまった評伝です。本書の前半が代表作品画集、後半が彝の思想や生涯などをたどる構成となっています。画集には、カラー画像が5点、モノクロ画像が48点も掲載され、A4変形版の豪華な仕様となっています。また、彝のめずらしい自筆原稿、「伊太利復興期の絵画」が収録されています。中村彝の研究が、今日ほど進展していない時代の評伝ですのでもの足りなさは感じるものの、同じアトリエ社が1927年(昭和2)に出版した『中村彝画集』とともに、戦前における中村彝研究の貴重な資料となっています。
 古書店や古本ネット通販でたまに見かけることがありますが、かなり高価です。古い本ですので、地域図書館などには収蔵されていないところが多いようです。美術館のライブラリーや資料室では、たいがい収蔵されており閲覧することができます。

写真右は、中村彝の「芸術の書」自筆原稿。


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